教育目的と特徴


教育学研究科は,「学部における一般的並びに専門的教育を基礎とし,広い視野に立って精深な学識を授け,教育の理論・実践を創造的に推進し得る人材を育成すること」(千葉大学大学院教育学研究科規程第2条)を目的としています。

今日の学校には,少子化,グローバル化,情報通信技術の進展など,社会の急激な変化に伴う教育課題への対応とともに,特別なニーズをもつ児童生徒への対応や家庭の教育力の低下,貧困等,現場での複雑化する諸課題への対応が必要となっています。

このような状況の中で,教員には知識・技能の絶えざる刷新が求められています。社会の状況の変化に伴う課題を幅広い視点からとらえ対応ができる実践的指導力やそのような課題に対して学校(教師集団)が機能的・効果的に活動できるようなマネジメント力が必要とされています。

本専攻では,学部段階の資質能力を習得した者の中から,さらにより実践的な指導力・展開力を備え,新しい学校づくりの有力な一員となりうる新人教員の養成や,リーダーとしての意欲や適性を有する教員に対して,学校経営や生徒指導等の高度な専門的知識を体系的に学び,リーダーとして活躍できる教員を養成することを目的としています。

教育課程編成の方針


高度教職実践専攻は,学校運営・管理上の諸問題,児童生徒の不適応行動にかかわる教育相談・カウンセリングなどの学校実践領域における先鋭的な問題を取り扱う内容(分野別科目:スクールマネジメント分野,学校教育臨床分野,ICT教育開発・教育DX分野)を設け,個々の学生のニーズに応じ,それぞれの領域についての専門性を身につけたミドルリーダーを養成します。

 

各分野の概要と教育プログラムの特徴


(1)スクールマネジメント分野

学級経営・学校経営に関する優れた知見と技能を身につけ,学内外でのリーダー的な役割を果たすことができる教職員,学校の仕組みを制度や予算面から理解するとともに,地域と協働して学校経営に当たる実践的能力を身につけた教職員の養成を目指します。

現職教員等の学生に対しては,個々の能力,経験を踏まえた高いレベルの教育内容により,修了後は教育行政及び学校のミドルリーダーとして活躍できる人材となるように養成します。

学部新卒者については,チームとして組織的に諸課題に取り組むことができる「チーム学校」の有力な教職員となるように養成します。


(2)学校教育臨床分野

生徒指導・進路指導上の諸課題に組織として対応する体制の中核を担う教員,様々な問題行動や不適応行動に対して,その深い理解と対処方法を知り,問題解決に当たることができる教員の養成を目指します。

現職教員等の学生に対しては,地域や学校での生徒指導のリーダー的な役割を果たせる,より高度な知識や技術の習得を,学部新卒者には学校現場での事例研究や現職教員等の学生との交流・学び合いを通して,修了後に生徒指導上の課題に対して現場で即戦力となりうる実践力の習得を求めます。

 

(3)ICT教育開発・教育DX分野
クラウドや情報端末をはじめとするICTと,これまでの実践を最適に組み合わせ,学校教育の可能性や課題を検討することを通して,ICT活用指導力やデータリテラシーの一層の向上を図ることを目指します。
現職教員等の学生に対しては,実践と理論の往還を通して,校内研修の実施や学校研究の指導的立場といった役割を果たすことができる人材を養成します。学部新卒者に対しはは,修了後はICTを効果的に活用した指導を学校現場に提供できる即戦力となりうる人材を養成します。