中学校コース
教科の高い専門性を持ち他教科との連携も視野に入れた教員を目指す
【中学校コースの特長】
- このコースでは、国語科教育分野、社会科教育分野、数学科教育分野、理科教育分野、技術科教育分野に分かれ、少人数教育による学習を進めることにより、高い専門性を持った中学校教員を養成します。
- 専門とする教科の中学校教諭1 種免許のほかに他教科の中学校教諭2 種免許または特別支援学校教諭2 種免許を取得することで、社会のニーズに応え現代的な課題に対応できる教員を目指すことができます。
- 教科の内容と教育法との横断的な科目が用意されており、少人数を活かしながら実践的に教える力を身に付けることができます。
【中学校コースのカリキュラム】
- 教育学部のカリキュラムは、
・学部で開講される多様な授業
・学外における「教育実習」と「学校教育体験」
の2つの柱で構成されています。 - 学内の授業で学んだことを、学外の現場で実践し、現場での課題を大学に持ち帰りさらに探究するという、学内での学びと学外での学びを往還することで、実践力を高めます。
【専門基礎科目】
大学の授業や実習に関する基礎を学びます。
- 新入生セミナー
- 授業研究入門 など
【所属分野の教科及び教科の指導法に関する科目】
所属する分野の教科について、自信を持って教える力を身に付けます。
〇教科の教育法
- 国語科教育実践研究
- 社会科教育概論
- 数学科教育法基礎
- 理科教育課程論
- 技術科教育法 など
〇教科についての専門的事項
- 日本の古典を読む
- 人文地理学特講
- 代数学
- 物理学演習
- 電気磁気学 など
【学校及び教育の諸課題に関する科目等】
国際理解教育やインクルーシブ教育など、現代的な課題について学びます。
生徒の発達や心理、特別活動についても幅広く学びます。
- 特別支援学級の子どもの理解と支援
- 教育英語
- 発達と学習の心理学
- メディア社会と学校教育
- 実践から学ぶ教職論 など
【第2免許に関する科目】
第2免許の科目について「教育法」と「教科内容」を学びます。
〇教科の教育法
〇教科についての専門的事項
このほかに、普遍教育科目や「卒業論文」などの科目があります。
国語科教育分野
充実した教育環境のなかで,教育実践をリードする力を養いましょう
国語科教育分野は,教育実践をリードできる能力と行動力,協調性とを兼ね備えた教員の養成をめざしています。そのため将来教職につこうとする意欲あふれた学生を受け入れ,国語科教育を中心とし,日本のことばや文芸・文化に対する興味・関心を高め,豊かな人間性を育むための教育を行っています。
【多彩な授業】
国語科教育分野には,国語科教育・国語学・国文学・漢文学・書写の各分野があり,それぞれ以下のような多彩な授業が開設されています。
国語科教育
国語教育分野の授業は,教科専門の授業で得た知識を活用し,中学校で国語を指導するための実践力を養うことを目指しています。「国語科教育概論」では,話すこと,聞くこと,書くこと,読むことなどの言語活動や言語に関する事項の指導法について具体的に学び,「国語科授業づくり演習」・「国語科カリキュラム論」・「国語科学習指導論」では,国語教育における様々な問題について議論したり,国語科指導に対する新たな提案を学生の創意工夫によって行うなどしています。
国語学
「古文ではなぜ『あはれ』と書くの?」「『食べれる』『違くない』って“間違い”なの?」このような疑問について考えながら,中・高の国語教員になるために必要な,日本語についての知識や日本語を分析する力を身につけます。
国文学
近代文学,古典文学,児童文学のそれぞれについて講義科目と演習科目を開設しています。日本の文芸や文化を多角的に学び,理解を深めて,豊かな授業を構想する力を育むことをめざします。
漢文学
授業を通して、中国古典学についての理解を深め、漢文読解力を身につけることをめざします。
書写
中学校国語科書写の学習内容である楷書と行書及びそれぞれに調和する仮名の書き方について学びます。また,具体的な指導法についても考えていきます。
国語科教育分野の学生諸君は,これらの授業を通してお互いに刺激を受けながら,親しみやすい教室の雰囲気の中で切磋琢磨しつつ充実した学生生活を送っています。また,卒業研究ゼミナールの活動も活発に行われています。
【授業紹介】
国語科教育実践研究
附属中学校で行う教育実習の授業づくりために、国語科の目標、内容、指導方法の基礎と授業研究の視点を学び、学習指導案を作成するとともに、板書や発問の計画を立て、学習の手引きや補助資料を作成します。
国文学概論
中学校・高等学校の国語科教員にふさわしい力を養うことをめざし、日本の文学とはどのようなものであるか、文学史の流れを意識しつつ、各時代の具体的なジャンルや作品を取り上げながら学んでいきます。
【卒業後の進路】
多くの学生が小学校教員の免許も取得して卒業しています。卒業生は,中学・高等学校あるいは小学校の教員以外に,自治体・公共機関の教育関連部門や教育関係の民間企業などにも就職し,活躍しています。また,大学院への進学希望の道もひらけています。
社会科教育分野
歴史学、地理学、法律学、政治学、社会学、経済学、哲学の各専門科目を学んで専門的知識を深めるほか、社会科教育学として授業のあり方を学んでいきます。社会に対して興味・関心を持ち、それらについて専門分野から探究を深めていくことが期待されます。
【社会科教育分野の目指す教員像】
社会科教育分野では,
- 高度な専門性を持つとともに専門性を生かして自ら学び続けることができる教員
- 専門のみならず社会科他分野に精通した「社会科に強い」教員
- 専門的知識・能力を生かし,社会科教育のリーダーとして活躍しうる教員
の養成を目指しています。
【高度な専門性と実践力の育成】
社会科・地理歴史科教育論,社会科・公民科教育論などにおいて中学・高校の科目に対応した実践的な授業開発能力を養うほか,歴史学(日本史・世界史)・地理学(人文地理・自然地理)・政治学・法律学・経済学・社会学・哲学・倫理学といった分野の専門科目を学んで専門的知識を深めます。また,実習・演習を通して極めて高度な専門性を育成するとともに,自ら専門的研究を行える能力の修得を目指します。
【授業紹介】
中学校社会科教育概論
本授業では、中学校社会科授業をつくる方法論について講義します。具体的には、教科書分析からつくる、社会諸科学の研究成果からつくる、自身が参観した授業を修正してつくるなど、多様な方法論について学び、実際にそれらにもとづいて授業がつくれるようになることを目指します。
哲学概論
自由や平等、公共性などの概念の意味内容を分析する、またリベラリズムやデモクラシーの歴史について考察するなど、現代社会の基本問題を理解するうえで不可欠の知識や思考方法を哲学の観点から学びます。
【卒業後の進路】
教員が中心ですが,自治体や民間企業に就職する人もいます。また,大学院へ進学し勉学を続ける人も多数います。
数学科教育分野
代数学、幾何学、解析学、確率論・統計学、数学教育学について多くの講義が開設されています。どの科目も基礎的なところから高度な内容まで学習します。また、コンピュータと関連した数学の学習も進めています。
【数学科教育分野の内容】
中学校教員養成課程数学科教育分野では,高等学校での学習内容につながる代数学,幾何学,解析学,確率・統計学,数学教育学について講義や演習を受講し,どの教科も基礎から高度な内容まで学習します。また,将来教員になるために必要な教材研究も教科それぞれの立場から学習しながら,教育現場での実習も経験します。さらに,コンピュータと関連した数学の学習も進めています。
【授業紹介】
数学科教育法概説
中学校・高等学校数学科の目標,内容(数と式,図形,関数,資料の活用,数学的な考え方等)および学習指導方法(問題解決,問題設定,オープンエンドアプローチ,情報機器の活用等)について理解し,数学科の授業を実践できるようにします。グループによる話し合いや演習を取り入れて行います。
代数学
数学の根幹を成す整数についての講義を行います。倍数・約数や除法の定理から振り返り、最大公約数、互除法、素数の性質、素因数分解の一意性などの基本事項を解説します。さらに1次合同式や原始根など用いて、整数論の暗号理論への応用を紹介します。
【教員免許状】
中学校教員養成課程数学教育分野を卒業すると,中学校数学の1種及び高等学校の数学の免許状を同時に取得することができます。また,現在,卒業要件として数学科以外の教科から1科目を選び免許状(第2免許)を取得するとこが義務づけられていて,二つの教科の免許状を取得し卒業することになります。
【卒業研究】
卒業研究を進めるためのセミナーについては,2年生の終わりに所属する研究室が決定されます。ただし,数学科所属の教員の研究室に限ります。4年生の1年間は,この所属した研究室を中心に,4年間の総仕上げとして卒業論文を作成することになります。卒業論文の内容は,数学の各分野の専門性の高い内容から,教育現場と密着した教材研究,数学教育に至るまで多岐にわたります。
【進路】
卒業後は,毎年多くの学生が千葉県内および出身県の中学校教員に就職しています。また,大学院に進学しさらに研究を進める学生や,企業に就職する学生も少なくありません。
理科教育分野
自然科学と理科教育の講義やセミナーに加え、自然科学の様々な分野の実験・実習を開設しています。フレッシュな思考と情熱で、自然科学の面白さを青少年に伝える意欲と能力を備えた仲間を一人でも多く増やしていきたいと考えています。
【理科教育分野の目指す教員像】
理科教育分野では,次のような教員の養成をめざしています。
本教育分野は,自然界の各分野にわたる考え方や整理の仕方を身につけながら,生徒が見つめた身近な自然のなかの何に注目すれば面白さを伝えられ,より進んだ学習への意欲付けになるかという視点をもって,自ら学び続ける教員の養成を目指しています。
【高度な専門性と実践力の育成】
こうした目標のために,理科教育の理論と実践に関する科目を中核として,高度な専門性を身につけるための物理・化学・生物・地学などの教科専門科目(講義・演習・実験)に関する授業科目を開設しています。
【授業紹介】
理科授業論
中学校理科教育を取り巻く状況を踏まえながら、具体的な授業事例を教育学専門の学生と理学・工学専門の学生が入り混じったグループで検討し、理科授業づくりの視点と、評価方法の観点について学びます。
基礎生物学
将来生物学を教える際に必要な基礎知識のうち、細胞生物学に関する内容について学び、生物を構成する物質の化学特性などの基本的事項から、様々な生命現象の仕組みを統一的に理解することを目指します。
【卒業後の進路】
もとより中学校教員への就職が中心,小学校・高等学校,あるいは自治体・公共機関の教育関連部門や教育,自然科学,情報教育関係の民間企業などにも就職しています。大学院修士課程への進学者も比較的多数おります。
在学生の声
「通常授業では,実験などで理科の専門知識を深める『教科専門科目』と,教職に必要な理論と技術を習得する『教職専門科目』を主に学びます。また,『介護実習・教育実習』などの実習を通じて,教員として実践力を養います。教員志望の仲間と共に,お互いの高いモチベーションを保ちながら,有意義な大学生活を送ることが出来ます。」
技術科教育分野
技術科ではものをつくることを通して知識と行動を結びつけることを大切にします。
具体的なものを対象とする際の裏づけとなるテクノロジー(技術の科学)を学び、それを技術科の教育の実際にどう展開するかを考えていきます。欧米諸国では,小学校の段階から技術教育を行い,人間が築いてきたテクノロジーの魅力を教育しています。 日本では正式には中学校にだけ技術教育を行う科目があります。 それが技術科です。
日本の産業の根幹をなすテクノロジーの基礎・基本を義務教育の過程で教育することは, 今後の世界の中での日本のアイデンティティーを確かなものにするために必要不可欠なことです。 このような重要な科目の教育を担う先生になって,将来の日本の教育に貢献してみませんか。
【技術教育分野では以下のような教師になるための教育を行っています。】
- 基礎的理論と実践力を持った中学校技術科のあたらしい教員像をめざします。
- 技術立国を目指す日本の基礎教養を身に付けた教員をめざします。
- 創造性のある教材開発の力をもった教員をめざします。
【教材をつくりだす力=教師の実力】
- 機械,電気,情報,金属加工,木材加工,栽培などの技術関連の科目を学びます。
- 卒業研究では,そのなかから一つの課題を特に掘り下げて学びます。
- 教え方だけじゃなく,教える中身もつくりだせる本物の先生を育てます。
【主な授業科目】
教科教育法関係
技術教育総論,技術科教育実践研究,技術教育入門,技術科教育法,技術科教育法演習
教科専門に関する科目
新入生セミナー,技術科の専門的基盤(各領域),木材加工学演習,木材加工基礎実習,材料工学演習,金属加工基礎実習,機械工学演習,機械工学基礎実習,電気工学演習,電気工学基礎実習,栽培言語演習,栽培基礎実習,情報工学演習,情報工学基礎実習 等
【授業紹介】
技術科教育総論
中学校技術科について,①国際的視野,②環境問題との関係,③情報化との関係,④日本における実態と歴史,という4つの視点から原理的に問い直すことで,技術科とは何かを考えます。
技術科総合実習
水車を教材に,①木材加工,金属加工,機械,電気などの自然・物質的側面,②技術史や環境問題などの社会・経済的側面の両面から教材解釈し,その成果を教材開発・授業づくりへとつなげます。
【技術科はこんな学生に来て欲しいと思っています。】
- 不器用でもいい,ものを作ることがトコトン好きな人
- ものづくりを深く,広く豊かに地道に探求しようとする人
- 机の上だけでなく,頭と体を使って疑問を探求・解決しようと努めることができる人
【卒業後の進路】
中学校教員
中学校技術科の教員として,千葉県内はもちろん,全国で卒業生が活躍しています。教員合格率も高い値を維持しています。
一般企業や公務員
卒業生の中で,一般企業に就職する人もいます。職種は,製造業,サービス業,教育関連等多岐にわたっています。
大学院
技術科の各領域や技術教育について,さらに深く学び,それを教育に生かす技術教育専攻が用意されています
【技術教育分野の推薦入試情報】
- 工業科,農業科高校生の卒業予定者に推薦入学の道があります。
- センター試験は必要ありません。
- 詳細は直接学部教務係あるいはオープンキャンパスなどで聞いてください!