小学校コース
新たに教科となる英語や道徳にも自信を持って対応できる教員を目指す
【小学校コースの特長】
- このコースでは、国語科選修、社会科選修、算数科選修、理科選修、教育学選修、教育心理学選修、ものづくり選修に分かれて学習し、全ての教科に対応できる力を身に付けることはもちろんのこと、その中でもとくに一つの教科に強みを持った小学校教員の養成を目指します。
- 教科となった英語を現場で自信を持って教えることができるよう、必修科目である「小学校英語」「小学校英語科教育法」に加え、小学校英語指導実践に関する科目や小学校英語教育探究科目など、小学校英語に関する科目が多数用意されています。
- 同じく新たに教科となった道徳に関する科目や、現代的な教育課題に対応する科目も豊富に用意され、興味関心に応じて履修することができます。
【小学校コースのカリキュラム】
- 教育学部のカリキュラムは、
・学部で開講される多様な授業
・学外における「教育実習」と「学校教育体験」
の2つの柱で構成されています。 - 学内の授業で学んだことを、学外の現場で実践し、現場での課題を大学に持ち帰りさらに探究するという、学内での学びと学外での学びを往還することで、実践力を高めます。
【専門基礎科目】
大学の授業や実習に関する基礎を学びます。
- 新入生セミナー
- 授業研究入門
- 小学校英語指導実践ベーシック など
【小学校教科及び教科の指導法に関する科目】
全ての教科について、自信を持って教える力を身に付けます。
- 各教科の教育法(10教科)
- 教科についての専門的事項(10教科)
【学校及び教育の諸課題に関する科目等】
国際理解教育やインクルーシブ教育など、現代的な課題について学びます。
児童の発達や心理、特別活動についても幅広く学びます。
- 通常学級における特別支援教育
- グローバル授業づくり入門
- 小学校英語実践
- 小学校道徳教育実践演習
- 特別活動の理論と実際
- 心理発達支援論 など
【選修に関する科目】
所属する専修の科目を得意科目にできるよう、深く学びます。
- ことばと文化
- 現代の社会
- 図形と計量
- 物質とエネルギー
- 学校づくり実践演習
- 教育心理基礎演習
- ものづくり入門 など
このほかに、普遍教育科目や「卒業論文」などの科目があります。
国語科選修
【魅力あふれる授業】
小学校課程では,小学校教員になるために必要な幅広い授業を用意しています。そのうち国語科選修用の授業としては, 「ことばをしらべる」,「小学校国語(書写を含む)」などがあり,次のような魅力あふれる授業が展開されています。
ことばをしらべる
アンケートを作成して言葉についての意識調査を行う、コーパスを使用して用例を収集するなど、言葉について実際に分析することを通して、国語の授業で活用できる「言葉に関する調査」の方法を学びます。
小学校国語(書写を含む)
小学校教員にふさわしい国語力を総合的に養うことをめざし、「読むこと」「書くこと」「話すこと・聞くこと」「伝統的言語文化と国語の特質に関する事項」の各領域について、具体的な課題に即して学んでいきます。
また,「授業研究入門」「小学校国語科教育法」などでは,理論だけでなく,授業実践例を取り上げたり,小学校の授業を見学したり,本作りや番組作り・詩の朗読上演や「語り」の実演など,経験を通して学ぶ場を取り入れたりして,魅力的な授業を実現する方法を,具体的・実践的に学ぶことができるようにしています。
本人が希望して認められた場合には,必要な授業を追加履修することによって,中学校や高等学校,幼稚園や特別支援学校(養護学校)等の教員免許を取得することも可能です。
【卒業後の進路】
卒業生は,小学校の教員を中心として,中学校あるいは自治体・公共機関の教育関連部門や 教育関係の民間企業などにも就職しています。また,大学院への進学の道もあります。
社会科選修
社会科の教科内容に即した専門的な授業を履修するとともに、博物館や史料館などの公共施設を訪問したり、身近な地域に関する実地調査を行ったりします。さらに、附属小学校の授業を観察し、授業開発能力を鍛えます。
【社会科選修の目指す教員像】
社会科選修では,
- 子ども達の幅広い社会に対する関心を育むことができる教員
- 社会科の教科内容に精通した「社会科に強い」教員
- 専門的知識・能力を生かし,社会科教育のリーダーとして活躍しうる教員
の養成を目指しています。
【高度な専門性と実践力の育成】
社会科は広い領域の学問分野で構成されています。 社会科教育において授業のあり方を学ぶほか,歴史学(日本史・世界史)・地理学(人文地理・自然地理)・政治学・法律学・経済学・社会学・哲学・倫理学といった分野の専門科目を学んで専門的知識を深め,社会科の専門性を高めます。 また,附属小学校の授業の観察や教材研究を通して,実践的な授業開発能力を養います。 社会科選修の学生の大半は,専門科目の学習を生かして,中学校教員免許(社会科)・高等学校教員免許(地理・歴史科,公民科)も取得します。
【授業紹介】
身近な地域・施設を調べる
身近な地域に対する自分なりの関心や視点を見つけ、表現できるようになることを目指して、千葉県内外の公共施設や文化財の見学・実地踏査を行っています。小学校社会科の内容を踏まえて、施設の教育利用に必要な調査能力を身につけます。
小学校社会
小学校の社会科で扱われる地理・歴史・公民の各分野について、特に①防災・減災のあり方、②地域のあゆみや日本史上の主な歴史事象、③エネルギーと食料の生産・流通・消費の実態などに焦点をあてて、理解を深めます。
【卒業後の進路】
小学校の教員が中心ですが,自治体や民間企業に就職する人もいます。また,大学院へ進学しより専門的な勉学を続ける人もいます。
算数科選修
小学校の先生でも数学に強い教員となることを目指し、代数学、幾何学、解析学、確率論・統計学、およびこれらの科目の教材研究や指導方法、さらに数学教育学などを履修します。多くの学生は中学校教諭(数学)一種免許も取得して実践力の強い教員として卒業します。
【算数科選修の特徴】
小学校教員養成課程算数科選修の学生は,小学校教員として必要な教育諸科学と小学校の各教科に関する専門科目を広く勉強します。 小学校の先生で算数・数学を得意とする教員になることをめざし,他の選修よりも算数・数学に関する講義を多く受講することになっています。
【授業紹介】
数と計算
本講義では、微分積分や線形代数などの初歩的学習によって、小学校算数の基礎となる「数と計算」について深く理解することを目指します。また、講義だけではなく、演習やレポートなどの体験的学習の時間を設け、知識・技法に習熟することを目標とします。
小学校算数科教育法
算数科の問題解決やその授業を体験したり,今後の教育の目標を教材として具体化したり,教科書や学力調査をもとに児童の反応を予想したりすることを通して,算数科教育を実践していく力を身に付けていきます。
【教員免許状】
小学校教員養成課程を卒業すると小学校教諭一種の免許状を取得できますが,副専攻として中学校等他の教員免許状の取得が可能です。 小学校教員養成課程算数科選修の場合は,中学校数学の教員免許状を取得する学生が多く,この場合は代数学,幾何学,解析学,確率論・統計学, およびこれらの科目の教材研究,さらに数学科教育法などの中学校数学科必修の授業科目を履修します。
【卒業研究】
卒業研究のゼミナールについては他の選修と同じ様に2年生の終わりに所属研究室を決定します。 多くの学生は算数・数学担当の教員の研究室に所属し,卒業研究を行います。4年生の1年間で,4年間の総仕上げとして,卒業論文を書くことになっています。
【進路】
卒業後の進路は年度によって変化がありますが,毎年多くの学生が千葉県内および出身県の小学校教員に就職しています。その他,企業へ就職する学生や大学院へ進学する学生もいます。
理科選修
自然現象やそれを探究する自然科学に興味を抱き、子どもたちに伝えていこうとする意欲に満ちた学生が集まっています。自然界の不思議や科学の面白さ・大切さを伝える意欲と能力を備えた仲間を、一人でも多く増やしていきたいと考えています。
【理科選修の目指す教員像】
楽しく理科を教えるための意欲や熱意は,身の回りの自然の不思議や面白さをたくさん知り,たくさん感動することをきっかけとして,科学の広い知識を身につけ,またそれが社会に生かされる様子を理解することで,より確固としたものになります。いまや,メディアでは先端の研究が紹介され,また知識豊富な理科支援員が小学校に来る時代ですが,卒業研究を成し遂げれば,全く知らない分野も,人が取り組む姿勢として見えてきます。
本選修は,自然界の各分野にわたる考え方や整理の仕方を身につけながら,子供たちが見つめた身近な自然のなかの何に注目すれば面白さを伝えられ,より進んだ学習への意欲付けになるかという視点をもって,自ら学び続ける教員の養成を目指しています。
【科学的体験と基礎知識の習得】
小学校理科選修の授業には,物質とエネルギー(物理・化学分野),生命と地球(生物・地学分野)等があります。個別分野の発展的内容は中学校課程の授業にあり,小学校理科選修の学生も履修できます。高校で未履修の分野についても基礎から学ぶことができます。
【授業紹介】
物質とエネルギー(化学)
小学校理科のうち、化学分野の発展的な学習を指導する上での、必要な知識を学びます。この過程で、「比較的単純な原理をもとに推論を重ねることにより、多くの現象は理解できる」という理科の論理的思考法も習得します。
小学校理科
理科の各分野の特徴を理解し、理科教材や理科授業についての見識を深めます。児童に理科分野の興味関心を持たせ、新たな知的探求心を刺激する方法を考えるために必要な、基礎となる理科の知識について学びます。
【卒業後の進路】
もとより小学校教員への就職が中心ですが,中学校・高等学校の教員あるいは自治体・公共機関の教育関連部門や教育,情報教育機関の民間企業などにも就職しております。大学院修士課程への進学者もおります。
教育学選修
子どもたちが主体的に学ぶことのできる授業づくり、道徳・特別活動・生活科や総合的な学習の時間の指導方法、地域に開かれた学校づくり、いじめや不登校、非行・虐待の問題に対処する方法、教育政策、教育行財政のあり方などを総合的に学びます。
【教育学選修とは】
- 教科の枠を越えて,子どもが主体的に学ぶことのできる授業づくりのプロを目指します!
- 子ども理解のプロを目指します!
- 教育問題を多面的に認識し,解決策を提起できる人を目指します!
- 保護者や地域,行政のコーディネートをできる人を目指します!
【こんなことに関心のある方に向いています。】
いじめ,不登校,フリーター・ニート,学力低下,学級崩壊,若者文化,授業づくり,キャリア教育,ICT活用,メディアリテラシー,教育委員会,学校選択制,社会教育,NPO,学校と地域の連携など・・・
【授業紹介】
教育基礎論
教育とはどのようなものなのかについて、思想・歴史から読み解きます。これにより、現代の学校教育等が抱える課題に対応するために求められる、教育についての考え方を深めます。
【そのために,こんな授業を開講しています。】
子ども理解に関するもの
子ども文化論/子どもの居場所論/ジェンダー教育論/多文化教育論
授業の内容や方法に関するもの
授業内容をつくりかえる/教育方法学/学びと対話/ディベート教育論
学校・社会教育の組織や教育行政・政策に関するもの
学校づくりと教育改革/教育行財政学/社会教育調査実習
実際に学校で授業づくりに関わったり,社会教育の施設や街に出て調査をしたり, 学校の教員や企業・NPOの方をお呼びして話を聞いたりする機会も多いです。
【卒業後の進路】
公立小学校教員(約半数) のほか,その他教員(幼稚園・養護学校(現特別支援学校), 私立学校等),保育士 ,公務員(市役所,警察等),一般企業(教育関係,出版社,金融,メーカー等), 大学院(1割弱) など。
教育心理学選修
教科の枠組みにとらわれず子どもがかかえる心の問題に広く対応できる人材の養成を目指しています。児童の発達や学習に対する科学的な研究方法を土台に、生徒指導、教育相談、学習指導などに関して実践的に考える力を身につけます。
【教育心理分野とは?】
小学校教員免許の取得をめざしながら,同時に,教育心理学に関する授業を専門的に履修するコースです。
現在,学校現場では不登校やいじめなど子どもが抱える問題が多様化しています。こうした諸問題のほとんどは子どもが抱える心の問題ともとらえ直すことができます。
そのような現状をふまえ, 教育心理選修では,主に児童心理学,学習心理学,臨床・カウンセリング心理学,社会心理学などの基礎や応用について学びます。これらの知識を生かし,教科の指導はもとより,現場の子どもの心の問題や子どもをとりまく諸問題に実践的にも広く対応できる教員を育成していきます。
【教育心理学選修の目指す教員像】
- 子どもの心が理解でき,子どもに寄り添えられる教員。また,子どもがかかえる心の問題に広く対処できる教員。
- 教育心理学の理論に裏付けられた,分かりやすく,楽しい授業が展開できる教員
- 子どもの発達や学習過程に関する教育心理学的な知識を土台とし,生徒指導,学習指導,青少年の適応指導などに関する実践的な対応のできる教員。
【教育心理学とは?】
- 子どもや青年の成長発達に伴う心や行動の変化の過程
- 子どもが教育や文化,社会から様々な学習を通して変化してゆく過程
- 子どもが成長・発達するなかで生ずる様々な不適応を解決するための支援等について心理学的に研究する学問といえます。
【教育心理学の具体的な研究領域】
- 子どもや青年の成長,発達を扱う児童心理学,青年心理学等
- 学習の過程を扱う→学習心理学等
- 子どもの不適応,障害などの問題を取り扱う→教育相談,臨床心理学等
- 学校における子どもや教師の人間関係,クラス運営等の問題を扱う→教育社会心理学等
【高度な専門性と実践力の育成】
こうした目標のために,教育心理学に関する理論と実践に関する科目を中核として,高度な専門性を身につけるための授業科目を開設しています。
1年生(教育心理学への入門)
- 「発達と学習の心理学」
発達や学習の基礎的なメカニズムについて学習します。 - 「新入生セミナー」
小学校教員になるための基本的な事項に加え,教育心理学の基本的な研究方法を学びます。
2年生(教育心理学を専門的に深める段階)
- 「教育心理学基礎演習Ⅰ」
実験やアンケート調査など実際に体験してみることで,心理学的に分析する方法を身につけます。 - 「児童発達心理学」
教育活動に不可欠な子どもの心の発達について学びます。特に、子どもが社会の中で生きていく上で重要な自己や他者の心の理解、ことば、対人関係に焦点をあて、その発達プロセスについての理解を深めてもらいます。
3, 4年生(授業やゼミで専門的な知識をさらに深め卒業論文を作成する段階)
さらに,演習科目,授業科目などを通して教育心理学の専門的な知識を深めます。
科目例「児童・生徒の不適応」「学習心理学の基礎」「生徒指導の社会心理学」
「生徒指導とコミュニケーション」「教師の授業力育成」等
【教育現場でのボランティア活動】
大学の授業に加え,希望する学生は,不登校の児童や生徒が通う施設,知的障害の児童・生徒が通う学級などのボランティア活動に参加しています。教育心理に関係した現場を体験するチャンスも開けています。
【卒業後の進路】
卒業後の進路は,小学校の教員を中心に,中学校の教員や公務員,さらに民間企業などと広範囲に及びます。主に教育心理学や臨床心理学を学ぶために千葉大学や他大学の大学院へ進学する卒業生もいます。
ものづくり選修
技術は文化・学術の母胎であり、技術的な体験は子どもの成長・発達にとって極めて大切です。本選修では、ものづくり体験を重視し、その教育的価値を技術教育の見地から探究します。全人的な教育・指導ができる教員の育成を目指しています。
【ものづくり選修とは】
小学校では,「ものづくり」そのものが教材としてあるわけではありません。
しかし,これまで多くの先生が,ものをつくることで子どもが成長・発達する姿を見てきました。「ものづくり」教育は,頭で学ぶだけではなく,ものに直接ふれ,手を動かし,ものとの対話を通して既存の教科にはないリアリティある学びをつくりあげることができます。 ものづくりによる技術的な体験は体験は子どもの成長・発達にとって極めて大切です。
ものづくり選修では,ものづくり体験を重視し,その教育的価値を技術教育の見地から追求します。 そして,子どもにとって意味のあるものづくりの教育とは何かということを追求しつつ,どのようにものづくりを授業に取り入れていくことが出来るのかということを探っていきます。 手や頭を動かし,道具を駆使して何かを作りだすことは楽しい経験です。そこからさまざまなものを学び取ることが可能です。 感官を鍛え,感官を通じて直にものの性質を知ることができます。道具の使い方を知り,そこに込められた人間の知恵を体験します。
計画的に事を進めること,もののもっている法則性にかなう方法をとることなしには,ものはうまくできないことを学びます。 友達との恊働の中で,人間関係を作っていくことも学びます。
そして,それらを通して新しい自分を発見するのです。
さらに,ものづくり選修の専門的な学習では,小学校の教科に関する科目と技術の諸分野の中からいくつかの講義と実習を履修し, 生産技術の基礎的な教養を身につけた全人的な教育・指導ができる小学校教員の育成を目標としています。
【ものづくり選修の特色】
少人数の徹底した指導
教育の現場で活かせる専門性
教材開発のできる力がつく
アットホームな雰囲気
【ものづくり選修の主な科目】
新入生セミナー(ものづくりの導入体験)
ものづくり入門
道具とものづくり
技術教育入門
ものづくり入門
紙で筆箱をつくります。設計から製作までの一連の製作に取り組む中で,道具の使い方,作業工程の立案,作業環境の整備などのものづくりの基本を学びつつ,ものづくりの教育的意義を考えます。
【卒業後の進路】
1.小学校教員
ものづくりを専門的に学べる教育学部は少ない。
有利な条件にある。本選修はかなり高い教員合格率を示している。
2.大学院
ものづくりについて,さらに深く学び,それを教育に生かす技術教育専攻が用意されています。