小中専門教科コース

高い専門性を活かし小中の連携も図れる教員を目指す

【小中専門教科コースの特長】

  • このコースでは、小学校及び中学校で専門性が求められる教科である音楽、美術(図画工作)、保健体育、家庭科に特化して、高い実技力や専門性を有する小学校及び中学校教員を養成します。
  • A 選択では、小学校教諭1 種免許と所属する教科の中学校教諭2 種免許、B 選択では、所属する教科の中学校教諭1 種免許と小学校教諭2 種免許を、それぞれ取得することができます。
  • 小学校と中学校との有機的な連携を図り、教科の専門性を身に付けつつ、複合的な視野を持った教員を目指すことができます。

【小中専門教科コースのカリキュラム】

  • 教育学部のカリキュラムは、
     ・学部で開講される多様な授業
     ・学外における「教育実習」と「学校教育体験」
    の2つの柱で構成されています。
  • 学内の授業で学んだことを、学外の現場で実践し、現場での課題を大学に持ち帰りさらに探究するという、学内での学びと学外での学びを往還することで、実践力を高めます。

【専門基礎科目】

大学の授業や実習に関する基礎を学びます。

  • 新入生セミナー
  • 授業研究入門 など

【所属分野の教科及び教科の指導法に関する科目】

所属分野の教科の「指導法」と「専門的事項」を学び、教科について、自信を持って教える力を身に付けます。

〇教科の指導法

  • 音楽科教育法
  • 美術科教育実践研究
  • 保健体育科教育
  • 家庭科授業論 など

〇教科についての専門的事項

  • 合唱
  • 絵画実習
  • 運動方法実習
  • 食生活論  など

【学校及び教育の諸課題に関する科目等】

国際理解教育やインクルーシブ教育など、現代的な課題について学びます。 児童・生徒の発達や心理、特別活動についても幅広く学びます。

  • 特別支援学級の子どもの理解と支援
  • 教育英語
  • 発達と学習の心理学
  • メディア社会と学校教育
  • 実践から学ぶ教職論 など

【小学校教科及び教科の指導法に関する科目】

小学校の各教科について自信を持って教える力を身に付けます。

〇各教科の指導法(10教科)
〇各教科についての専門的事項(9教科)

このほかに、普遍教育科目や「卒業論文」などの科目があります。

音楽科教育分野

音楽的専門性の高い授業や実践場面を想定した授業などを通して、音楽のよさを実体験し教員としての専門性を高めることができます。個別指導や集団でのアンサンブル活動、日本の楽器に触れる授業など、特色ある授業も多く展開し、音楽教育者として様々なニーズに応え得る人材の育成を目指します。少人数によるきめ細やかな指導が最大の特長といえるでしょう。

【授業紹介】

小学校音楽科教育法

小学校で行われる音楽科の授業の目標や内容、教材、指導方法等について、実践的に学びます。音楽の実技の活動を随時取り入れ、音楽科の授業を実践するために必要な音楽の基礎的な知識と技能を習得し、模擬授業も展開します。

音楽理論基礎

ピアノや声楽、合唱、吹奏楽などの楽譜をより深く理解しより良い演奏を行う上で必須である「楽典」について学びます。速度記号、楽語、律動、音部記号、音度、移調、初歩的な和声等の知識をより深め音楽科の実践的な授業や楽曲分析で活用できるようにします。

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【教員プロフィール】

本多 佐保美(教授) 音楽教育学・音楽学
東京藝術大学音楽学部楽理科卒業。同大学院音楽研究科(音楽教育専攻)修了。
専門は音楽教育学・音楽学。小・中学校における音楽科の授業研究やカリキュラム研究、特に雅楽や長唄など、日本伝統音楽の教材化研究や授業研究に取り組んでいる。音楽教育の歴史にも興味があり、明治以降の我が国の音楽教育の歴史について、「音楽の文化変容」「音楽アイデンティティ」「ナショナルアイデンティティ」などをキーワードとして研究を進めている。大学の授業としては、「小学校音楽科教育法」「小学校音楽」「中学校音楽科教育法」「音楽史」などを担当している。
著書に、『日本音楽を学校でどう教えるか』(開成出版)、『新版小学校音楽科教育法』(教育出版)、『わたしたちに音楽がある理由(わけ)―音楽性の学際的探究』(音楽之友社)などがある。

久住 庄一郎(教授) 声楽
東京藝術大学音楽学部声楽科卒業。同大学大学院修士課程に進学。1990 年渡独。ハンブルク、ケルン、ボンなどを経て 1992 年より明治安田クオリティ・オブ・ライフ財団奨学生及び文化庁在外研修員としてブレーメン国立芸術大学音楽学部声楽科に在籍する一方、北ドイツ諸都市を中心にヨーロッパ各地で演奏活動を展開。ハンブルク、ザルツブルク、ウィーン、ローマ等で宗教曲を中心に数多くの演奏会に出演し好評を博す。1993年に東京芸術大学大学院修士課程を修了、1997年にはブレーメン芸術大学におけるドイツ演奏家国家試験に最優秀の成績で合格、同大学を卒業。
帰国後は、宗教曲・ドイツ歌曲のスペシャリストとして活躍中。これまでに声楽を須賀靖和、小松英典、多田羅迪夫、鈴木寛一の各氏及びドイツ歌曲をコルト・ガーベン氏に師事。

揚原 祥子(教授) ピアノ
東京藝術大学音楽学部ピアノ科を首席で卒業、同大学院修士課程修了。大学在学中、第 58 回日本音楽コンクール(NHK・毎日新聞社主催)第1位、野村賞、井口賞受賞。日本ショパン協会 147 回例会でデビュー。学内にて安宅賞受賞。大学院在学中、明治安田クオリティ・オブ・ライフ文化財団の奨学金を得てハンガリー国立リスト音楽院に留学。帰国後は国内各地でソロリサイタルを開催するほか、歌曲伴奏や室内楽の活動を数多く行っている。小中学校でのアウトリーチ活動や、R.シュトラウス「イノック・アーデン」など朗読とピアノの作品にも取り組んでいる。
学部では「器楽(ピアノ)」、研究科では「器楽研究(ピアノ)」「伴奏法研究」「アンサンブル研究」など、主にピアノ演奏法および伴奏法に関する授業を担当している。2021 年より教科用図書検定調査審議会臨時委員。

竹内 由紀子(助教) 音楽教育学・ピアノ
千葉大学教育学部中学校教員養成課程芸術教育系音楽科分野卒業。千葉大学大学院教育研究科音楽教育専攻修士課程修了。フランス・ニース音楽院サマーセミナーにて、パスカル・ロジェのクラスを修了。
これまでに、ピアノを揚原祥子、宇川眞美、倉沢仁子、早川令子、伴奏法を渡部成哉の各氏に師事。2009年~2017 年千葉市立小学校教諭を務め、非言語コミュニケーションを重視した授業展開を行い、児童の音楽的な基礎力を高める音楽科実践研究を行った。
「小学校音楽」や「音楽科教育法」、「器楽(ピアノ)」、「ソルフェージュ」などの授業を担当し、児童生徒が自ら表現できる土台となる読譜力やソルフェージュ力を育成するための系統的な指導カリキュラムについて研究している。

図画工作・美術科教育分野

子どもたちが創造的に表現する喜びを感じる授業実践ができる教員の育成を目指しています。絵画や彫刻、デザインや工芸、美術史や美術理論、そして美術教育論などを幅広く学習します。基礎から発展へと積み重ねられたカリキュラムによって、それぞれの興味に従って学ぶことができ、自らの専門性を高めていきます。

【授業紹介】

小学校図画工作科教育法

図画工作科の歴史や理論的な背景及び教科の課題をふまえ、授業デザインの視点から教材研究の方法、児童の実態と活動の関連等の学習を通して、図画工作の授業づくりの基礎を学びます。

美術科の専門的基盤(鑑賞)

自身の(見るなどの)経験を記述し、分解し、解釈をすることが、自身の経験を意味づけることであることを知り、そこで得た視点から表現活動の主題を生み出すことができることを学んでいきます。

保健体育科教育分野

児童・生徒にスポーツ等の運動実践を通してからだを動かすことの楽しさを実感させるとともに、他者との交流の中での豊かな人間形成に寄与し、学校現場の様々な課題に即応して優れた問題解決能力を発揮する教員の養成を目指しています。そのための専門的な知識、技能、実践的指導力を講義、実技、宿泊を伴う実習を通して身に付けます。

【授業紹介】

小学校体育

「器械運動」「陸上運動」「ボール運動」「表現運動」の実技授業において、保健の知識学習も取り入れながら、グループでお互いの動きを確認し協力して運動課題の解決を図ることで実技能力・指導力の向上を図ります。

野外活動(実習)

宿泊を伴った実習の中で野外炊飯、テント生活、自然体験活動等を学生同士協力しながら体験します。この実習を通して、企画、事前準備、運営などの指導方法および火起こし、クラフト等の基礎的な技能を身につけます。

家庭科教育分野

家庭科が学びの対象とする生活の諸問題は、多元的で重層的な構造をしています。家庭科教育分野では、自分自身の生き方から地球環境にまで及ぶ人間の生活全般を、文化的、社会的、科学的な幅広い視野で学びます。講義や演習に実験・実習的な内容も組み込まれ、内容や授業形態のバランスに配慮したカリキュラムが展開されています。

【授業紹介】

小学校家庭科教育法

家庭科の学習内容は、家族、衣食住、消費・環境の幅広い分野をカバーしています。それぞれの分野にふれながら、小学生(5・6年)がよりよい生活をつくっていけるような授業づくりや指導方法を実践的に学びます。

食生活論(含実習)

食事のあり方など食生活のもつ文化的、社会的側面にも触れながら、栄養・食品・調理の基礎的知識を学びます。また、食品の性質、調理による変化、献立作成について実習を通して実践的に学びます。