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海外渡航に必要な「国際旅行医学研修会」が開催されました

 8月5日(月)の16:00~17:30、教育学部大会議室において、教育学部国際交流委員会主催、総合安全衛生管理機構・国際未来教育基幹キャビネット・国際教育センター共催による、海外渡航に必要な国際旅行医学研修会が開催されました。講師は千葉大学医学部附属病院感染症内科の谷口俊文先生です。谷口先生は、旅行医学の分野の数少ないエキスパートでいらっしゃいます。

   

 この研修会は、千葉大学の学生や教職員を対象に留学や海外出張などの海外渡航時に必要な医療情報を理解することを目的として毎年この時期に開催されています。ツインクルプログラムで東南アジアへ渡航予定の学生やその引率教員をはじめ、学部内外の学生や教職員を含めた50名ほどが参加しました。

 「渡航に伴う統計と危険について」では、邦人旅行者が年間500~600人亡くなっており、トラブルが多い地域とその背景をご説明いただきました。死亡原因では交通事故が最も多く、擁護件数では行方不明になった方の所在調査が一番多いことを述べられ、「自分の身は自分で守る」ための具体的アドバイスもいただきました。外務省をはじめ事前にチェックしておくべきHPも紹介していただきました。「渡航前に調べておくこと」では、保険加入やOSSMAへの登録、トラベルクリニックの活用についてご説明いただきました。その他、「トラブルに遭遇したら」「旅行前のリスク・アセスメント」「旅行者下痢」「蚊媒介感染症」「ワクチンで予防できる感染症」など、広汎にわたり、想定されるトラブルと具体的な準備と対処法を、丁寧にわかりやすく説明して下さいました。特に、安全な日本にいると、水・動物・蚊に対して警戒心が低くなりがちですが、その危険性について詳細にご説明いただきました。虫除けに効果的な商品として推奨されるのは、DEET(ディート)30%6時間おきに使用するタイプのものがよく、日焼け止め→虫除けの順に使用するのがよいことなど、多くの知識を得ることができました。

 今回の研修を通して、改めて海外渡航の具体的な準備事項と心構えについて知ることができ、有意義な研修会となりました。千葉大学では来年度の入学生から「全員留学」が義務付けられています。こうした研修会をとおして旅行医学の知識を身に付け、安全な留学生活が送れるように支援しています。