教育学部附属中学校の生徒が 令和7年度 千葉県児童生徒・教職員科学作品展 千葉県知事賞を受賞しました!
2025年11月25日
お知らせ
教育学部附属中学校の生徒が令和7年度 千葉県児童生徒・教職員科学作品展 千葉県知事賞を受賞!
~生徒の「なぜ?」を育む、千葉大学教育学部附属中学校の探究サポート体制~
千葉大学教育学部附属中学校2年の井上さくらさんが、「ニホントカゲの研究 ~ニホントカゲは色を識別できるのか~」と題した研究で、千葉県児童生徒・教職員科学作品展にて千葉県知事賞を受賞し、第69回日本学生科学賞の中央予備審査に進みました。本研究は、ニホントカゲの体色変化という身近な現象に着目し、「トカゲは色を識別できるのではないか」という疑問の検証に取り組んだものです。井上さんは、ニホントカゲの学習能力を利用し、色の条件設定を工夫した精緻な実験によって、その識別能力を実証しました。この着眼点と論理的な検証プロセスが高く評価されました。
井上さんの受賞に加え、同じく2年生の寺森なぎさんが、「ビル風の研究〜ビル風の影響を小さくするには〜」で千葉県総合教育センター所長賞を、1年生の伊藤涼さんが、「キダチアサガオの概日時計を探る。〜明所でも開花するのはなぜなのか?〜」で優秀賞を受賞するなど、今年度は合計6名の生徒が入賞しました。

井上さんの実験中の写真 理科の実験の様子 文化祭の自由研究展示
探究活動を支える教育環境
こうした質の高い研究の背景には、千葉大学教育学部附属中学校の独自の取り組みがあります。
1. 探究の「過程」を重視する理科の授業
千葉大学教育学部附属中学校の理科の授業では、知識の習得に留まらず、普段のから「探究の過程」そのものを深く学ぶことを重視しています。例えば実験においては、単に教師が用意した実験を使うのではなく、実験方法を生徒が考えて自由に理科室を使用して実験を行う取り組みを行なっています。「どのようにして検証するのか」「得られた結果をどう解釈し、次の考察に繋げるか」を生徒自身が、自由に、そして深く思考する授業を展開しています。
2. 充実した学習環境
生徒の探究心を支援するため、環境整備にも注力しています。理科室は2部屋あり、全授業を理科室で実施できるように時間割を組んでいます。生徒が日常的に実験器具に触れられる環境で、どこにどんな実験器具があるのかを覚えていきます。これは自由度の高い実験へとつながります。また大学附属校として豊富な実験道具を備えることで、生徒の高度な探究活動を可能にしています。
3. 全員必修の自由研究と手厚い支援体制
本校では、夏休みの課題として、全生徒が自由研究に取り組みます。また単に課題を課すだけでなく、教員が一体となって研究の質を高めるための支援を行っています。
夏休み開始前:自由研究テーマ設定の指導、研究計画立案の支援、論文作成の体裁や構成に関する指導を授業内で実施しています。
夏休み(研究期間):理科教員によるオンライン相談窓口の設置や、理科室を開放して教員が直接指導にあたる日(理科室開放日)を複数設けています。
また探究活動は理科の授業のみではありません。「総合学習」の時間では、約半年をかけて全校生徒が、自分自身で興味のあるテーマを設定して探究活動を行います。また、他の教科においても、自らの考えを論理的に構築し、他者へ的確に伝達する活動を多く取り入れています。こうした日々の学びの積み重ねが、自由研究での質の高い研究を生み出す土壌となっています。文化祭で展示される全校生徒の自由研究論文の展示会は、毎年多くの来校者の関心を集めており、その成果が在校生の新たな探究意欲を喚起するという、良い循環が生まれています。
千葉大学教育学部附属中学校はこれからも、生徒の将来を考えて、生徒一人ひとりが持つ知的好奇心を原動力とし、粘り強く真理を追求する姿勢と、論理的に思考し表現する力を育む教育を、学校一丸となって推進してまいります。