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大学院教育学研究科 学校教育学専攻(修士課程)

教育目的と特徴


 教育学研究科は,「学部における一般的並びに専門的教育を基礎とし,広い視野に立って精深な学識を授け,教育の理論・実践を創造的に推進し得る人材を育成すること」(千葉大学大学院教育学研究科規程第2条)を目的としています。

 近年,日本の教育に対しては,学力の低下やその格差増大等の学習に関する課題,いじめをはじめとする人間関係や心に関する課題,体力低下や不適切な生活習慣等の体や健康に関する課題など多様な問題が指摘されています。また,教育現場へは家庭や地域を含む学校外からの期待も大きく,様々な社会的要請を受ける状況にあります。本研究科学校教育学専攻ではそのような現状をふまえ,学校教育の現代的な課題について領域横断的に広い視野を持ち,教育現場と密接に関わる実践的な学びと専門とする教科・領域に関わる先端的な知識をつなげ,教科内容等を探究し,修士論文研究を通して現代の学校教育に寄与する実践的な研究を行う能力を養います。希望する者については,海外での教育・研究活動を経験させ,国際的な視野をもって国内外の教育に貢献できる能力を養います。

 昨今では,学校教育を取り巻く状況が大きく変化し,教員は知識・技能の絶えざる刷新が必要になっています。ICTをはじめとするイノベーションのたゆまぬ進化による情報化社会の進展は,産業構造を大きく変え続け,組織や国の枠組みを超えて人々が連携協力しながら働き,社会生活を営むことを可能にしてきました。日本においては経済成長や人口増加が止まり,少子高齢化や人口減少を前提とした社会のあり方の再構築が求められています。社会のこうした変化を背景として,学校教育には,多様な他者との協力のもと,幅広い知識や技能を活用して未解決の問題を解決する力の育成が求められています。そして,今後の学校教育を担う教員には,これまでの学校教育の成果を十分に踏まえつつも,新たな教育内容や教育方法の開発に取り組み,多様な学習者が協働して学ぶ教育実践を創造する力量を形成することが求められます。

 学校教育を取り巻く状況の変化に対応し,幅広い視野と研究的な専門性とを併せ持つ授業づくりに強い教員の育成,教科教育・特別支援教育・幼児教育・養護教育等の分野の高度専門職業人の育成,心理学や教育学の分野で実践的な研究のできる教育研究者の育成,国際的に活躍できる留学生の教育等を可能とする専攻として学校教育学専攻を設置しています。
 

教育課程編成の方針


 本専攻では,専門性と視野の広さとを併せ持って学校教育に実践的に貢献できる人材を養成するために,特定の専門領域や教科などの原理や背景学問を探究する「教育発達支援系」「言語・社会系」「理数・技術系」「芸術・体育系」の4つの系に加え,変化する社会の状況に対応した授業実践の開発を主題とし,複数の専門領域を横断的に学ぶ「横断型授業づくり系」を設けています。「横断型授業づくり系」を中心に,各系がゆるやかに連携して教育研究を行い,個々の領域における専門性を維持しつつ,専攻全体で視野の広い教育研究を推進できる体制をとっています。学生は,自分の研究テーマを基に,いずれかの系に属し,学校教育に関する広い視野の獲得を目的とする「専攻必修科目」,専門性の担保と近接領域への関わりを目的とする「系選択必修科目及び系選択科目」,学校現場に貢献する力量の向上を図る「教育実践に関する科目」,個々の研究テーマに基づき修士論文に向けた研究指導を目的とする「課題研究」,専門以外の領域について主体的に学ぶ「選択科目」を履修します。


学位授与の方針(修士課程)(PDF)
教育課程編成・実施の方針(修士課程)(PDF)
教育学研究科学位論文審査基準(PDF)
取得可能免許(修士課程)(PDF)
履修方法(修士課程)(PDF)
 

各系の概要

 ①教育発達支援系
 本系では特別支援教育,幼児教育,養護教育等の専門的な課題並びに学校心理学の分野での研究について,心理学や医学の知見を基盤に扱う系です。子どもの発達を促す場としての学校教育現場が直面しているさまざまな課題に応えるために,学際的なアプローチが必要とされています。教育発達支援系では,乳幼児期から青年期に至る子どもの学習過程,身体的・認知的・社会的発達の過程,発達障害児を含む障害児の教育支援,幼児・児童・生徒の健康の支援等について幅広い知識と実践力を備え,今日的課題に対応できる人材の育成を目指しています。
  本系では,学校心理学,教育心理学,発達心理学,保育・幼児教育,特別支援教育,学校ヘルスプロモーション,養護教育に関する領域の研究を深めるとともに,研究テーマに応じて関連する領域(分野)へと視野を広げた研究を進めることもできます。

 ②横断型授業づくり系
 変化する社会の状況に対応した新しい教育実践の開発をするとともに,これまで困難とされていた内容を取り扱う授業ならびに教育の現代的課題について,実際に教育の現場での取り組みや授業づくりを通して考えることをねらいとします。 領域,教科,学校種別,学校と学校外の社会,日本と国外といったさまざまな境界を横断した教育研究を扱います。従来の教科・領域の枠組みにとらわれない新しいカリキュラムや単元を学生が開発し,実際に学校現場で授業として実践すること,また,教育の現代的課題について社会の変化に対応した新たな授業や教育実践が展開できる人材を育成します。
 本系では,授業づくりに強い教員,教育の現代的課題の解決に向けて取り組める行政担当者をはじめ,教員養成大学の教員となる研究者の養成を目指します。

 ③言語・社会系
 現在の人々の言語活動や生活・行動様式,及びその背景となっている価値や文化は,複雑な経路を経て現在に至っています。あるときは過去の人々のそれらを継承し,あるときは異なる価値や文化との交渉・相互作用によってあらたな価値や文化へと発展してきました。21世紀には,ボーダーレス化,ネット社会化,価値多様化など,人々の生活・行動様式を旧来の価値や文化で捉えることは困難となりつつあります。このような状況の中で,継承すべき価値や文化とはなにか,発展・創造すべき価値や文化について検討することが必要とされています。言語・社会系では,人々の言語活動や生活・行動様式を「人間と文化」という共通概念から捉えなおし,その学術的研究成果を教育という場で実現する為に必要な資質・能力を持つ人材の育成を目指しています。
 本系では,国語教育,英語教育,社会科教育,家庭科教育の各分野の研究を深めるとともに,研究テーマに応じて,関係分野に視野を広げて研究を進めることができます。

 ④理数・技術系
 自然やテクノロジーに関わる科学,数学,工学の知識は広大で,その変化は極めて激しくなっています。その中で,子どもと共に課題を設定しその解決過程を導きながら,より高い目標に到達するためには,数学のおもしろさと実用性,多様な自然の真の姿,自然の機能やその制御に関する知恵と工夫等を俯瞰する高い視点を持つことが不可欠になっています。また,それらを踏まえた幅広い指導力を会得するには,具体的・現実的な課題の背後に潜む重要な論点とその関連性,数学的考察力,自然科学的認識,実験・実習・ものづくりの技法,工学的発想さらにはそれらの学習と指導上の問題等を理解する必要があります。
 本系では,学校教育における自然科学・数学や工学に関わる学習の意義と方法を,より豊かに創成し続ける人材の育成を目指しています。

 ⑤芸術・体育系
 音楽表現,美術表現,身体表現の各研究を通して,自らを表現したり表現されたものを感じ取ったりすることは人間の成長にとって不可欠なものです。こうした表現を研究し,そこから新しいものを創造するとともに今までの知見を将来へと伝承する研究は,子どもの学びや生活を豊かにする上でより重要になっています。芸術・体育系では,「表現」とともに「感性」「感覚」「伝承」「創造」「鑑賞」等を系の共通概念と位置づけ,これからの教育の中核を担う教員に必要な資質・能力として涵養することを目指しています。さらに,その学術的研究の成果を教育の場で活かす実践力を身につけた人材の育成を目指しています。
 本系では,音楽教育,美術教育,体育の各分野の研究を深めるとともに,研究テーマに応じて,関係分野に視野を広げて研究を進めることができます。